音楽好きの今の話と昔の話

普段目についた音楽について何となく語ります。

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音楽と「1999年7の月」の話 

1999年の7月に人類が滅亡するという話からちょうど25年、つまり四半世紀経った。1990年代に入ってから第3次世界大戦や核戦争、はたまた隕石が地球に衝突するなんて人類滅亡論が次から次へと論じられた。当時子供だった私もその話を聞いて「もうすぐ地球は終わるんだ」なんて恐怖心とも絶望感とも言えない何とも不思議な不安を心の奥底に仕舞い込んで遊んでいた。

 

 

思い返すと1991年の大ヒット映画「TM2」ことターミネーター2の話の内容も最終戦争をイメージさせた。しかし、結局90年代初めにソ連が崩壊したことにより、何となく冷戦が自然消滅した。それで世界情勢を見渡すとアメリカを中心に戦争はあったものの、90年代中頃には「最終戦争」というものが少し遠くなったような気がしていた。その他、日本は1995年に阪神大震災を経験。未曾有の災害というものを経験してしまったためか、陰謀論的な災いに対してあまり気にしなくなってきた。むしろバブルも崩壊し、経済的な不安や阪神大震災のような自然災害の方がよほど恐怖を感じたのか、1999年に入る頃にはアンゴルモアの名前はあまり口にされなくなった。

「ななのつき」というフレーズを先日耳にし、ふと先程の話を思い出したのがきっかけで、今回のテーマが決まった。不思議な1999年7月の音楽についフォーカスしてみた。あの月にはどんな音楽が世間を賑わせていたのか少し書き留めておきたい。そんな昔話にお付き合いいただけたらありがたい。早速紹介していく。1999年7月のオリコンシングルCD月間チャートを参考。

 

energy flow

 

坂本龍一さんのあの名曲「energy flow」が収録されている「ウラBTTB」がこの月一番売れたシングルCDとなっている。この年の5月にリリースされたこの楽曲はインストながら異例のロングヒットとなり、落ち着いたサウンドを手に取る日本人が多かった。疲れていたのだろうか。年間シングルセールスも「Automatic」「だんご3兄弟」に続く大ヒット作品。坂本龍一さんが亡くなってから一年以上経つが、何故だかわからないが実感がない。

 

 

こちらはTK全盛期の終盤を飾ったといってもよい鈴木亜美さんの「BE TOGETHER」。TMネットワークの楽曲をカバーした形であったが、夏の音のイメージが強い。彼女自身の最大のヒット曲でもあり、この7月に2番目に売れたシングルCDとなった。

 

 

浜崎あゆみさんの「Boys&Girls」もこの月にリリースされめちゃくちゃ耳にした。今回当時のオリコンシングルチャートを見たとき、個人的にはこの曲が一番印象に残っている。この楽曲以降ayuの勢いは凄まじかったと記憶している。社会現象になるほど当時のアイコンと呼べる存在になっていった。街にはアムラーが減り始める一方「あゆ」が溢れ始めていた。黒ギャルから白ギャルへの変化のタイミングともなった。

 

 

7月31日には「GLAY」が 屋外ライブで20万人動員した。今思えばとんでもないことにしてるなと思う。ちょっと前にHISASHIさんが、実は16万人くらいだったなんて言っていたが、それでもとてつもない数字だ。だけどやっぱり少ないと思うかはさておき、1999年の7月には伝説と呼べる音楽イベントが行われていたのは事実だ。

そして、1999年の7月にはインディーズシーンに衝撃を走らせた1枚があった。L'Arc〜en〜Cielや宇多田ヒカルさんの1stなんかもアルバムチャートを賑わせていた中で、メロコアの金字塔的アルバムが1999年の6月30日にリリースされた。ハイスタことHi-STANDARDの「MAKING THE ROAD」だ。元々「ANGRY FIST」で世間の注目を浴びていたが、この「MAKING THE ROAD」によりインディーズバンドというものが市民権を手に入れたのではないか、と勝手に思っている。今だにメロディックパンクバンドでNo.1クラスの人気を誇ると今年のパンクスプリングで実感した。

アンゴルモアの大王とは何だったのか?少なくともみんなが思っていたような恐怖の大王はやって来なかった。「ノストラダムスの大予言」の作者・五島勉さんが2020年に亡くなる前に受けたインタビューが印象的だった。(下記リンク)1999年の予言は外れていないという、解釈を間違えていたとの見解だった。それより人類が滅亡するからと言って宿題をやらなかった子供達には申し訳ないと言う気持ちがあったそうだ。

課題とか出さなくていいんじゃないか?そんなひとりになりそうだった私は1999年7月は「輝いていた」と思う。学生の傍ら、猛暑の中炎天下で発掘バイトしてた。めちゃくちゃ遊んで、めちゃくちゃ勉強してまた炎天下で穴を掘る日々だったと思う。いつ寝てたかわからないけど、とにかく充実していた。輝いていたあの日に流れていたのはハイスタの「STAY GOLD」だった。歌詞のように輝き続けられてるとは言えないが、まだあの曲は輝いている。では最後にご一聴。