音楽好きの今の話と昔の話

普段目についた音楽について何となく語ります。

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たま 「今」と「昔」の話

世に出てきたのが早すぎたのか、はたまたピッタリだったのかがわからない。かと言ってこのバンドがどこかの時代で当てはまったのかということもわからない。意図せず偶然にも2月22日猫の日にこの記事をアップすることになった。それほど運命的で不思議な天才的バンド「たま」の話をしてみたい。

 

 

とにかく不思議なバンドだ。一般的には「さよなら人類」の人、世代によっては「ちびまる子の歌」の人と呼ばれることもあるが、ランニングの人やおかっぱあたまの人がいるバンドという一種のイロモノバンドである。しかし、異彩を放つそのスタイルは確固たる技術を持つバンドだったというのが今見るとよくわかった。まずご存知ない方のために簡単にメンバー等説明をしておきたい。1984年頃に結成され2003年に解散。最終的なメンバー(敬称略)は知久寿焼(ボーカル・ギター)石川浩司(ボーカル・パーカッション)滝本晃司(ボーカル・ベース)の3人だが、いわゆる最も露出していた時期は4人だった。もうひとり柳原陽一郎(ボーカル・キーボード)は1995年に脱退している。3人とも4人とも言えるバンドだが、世に出たきっかけはなんと言ってもイカ天で3代目のグランドイカ天キングになったことだ。と言いながらも私はこの手の話は後に知った話。また後で詳しく「昔」を話していきたい。とりあえずは「今」のメンバーの様子を見ていきたい。

このCM曲は聞いたことがあると思う。この歌を歌っているのはさっき言っていた「おかっぱあたまの人」である知久さんだ。以前書いた記事で「声」をテーマにしたものがあったのだが、こちらで知久さんの名前を挙げているくらい好きな声だ。

こんなオシャレな感じで楽曲参加していることもある。たまという個性の寄せ集めのような集団で麻痺してしまうが、異質の才能が滲み出ている。面白すぎる。

さて、こちらは「たまのランニング」ことパーカッション石川浩司さんの様子。ユニークな風貌ながら何気に超絶パーカッションテクニックをみせつけてくる。そして今でも不思議なサイト「石川浩司のひとりでアッハッハー」を毎日のように更新している。

「G」こと滝本晃司さんはたまのイケメン担当だった。石川浩司さんと一緒にライブやったりしているのだが、かなり色っぽい声をしている。しかし、この「サーカスの日」というライブ動画の石川さんのパーカッションのスティックが気になってそちらを見てしまう。

一足早く脱退した柳原陽一郎さんもソロ活動をずっと続けていて、いくつものアルバムをリリースしている。代表曲であるあの「さよなら人類」も「オゾンのダンス」も柳原さんの作詞なので、たまとして聞くことがないのは少し残念だ。個人的に好きな曲は柳原さん作曲が多いのに今回色々見ていて気が付いた。

今でもコンスタントに音楽活動をしている彼らは元々ソロ活動を行っていた方たちだからだ。たまはソロアーティストの集まりで出来ていたバンドだった。だから解散したからといって別に音楽活動を辞めることはなかったし、地道に続けているのが現状だ。たまのときも自分で作った曲は自分で歌うスタイルだった。石川さんも「ソロアーティストの集まりで自作曲自分ボーカル制」と発言していたようだ。そんな「今」聞いて改めて思う。最初にも少し言ったが、全員とにかく上手すぎる。演奏も歌唱も凄すぎる。別に贔屓目に言わなくても天才集団なんだとつくづく思う。

話は「昔」へと向かう。個人的な話だが、1990年頃当時小学生だった私はたまのCDを持っていなかった。友人のカセットテープの曲を更にカセットテープへダビングしたもの、おそらく1stアルバム「さんだる」だったと思われるものを文字通り擦り切れる程聞いた。

 

そして、近所のコンサートホールへたまがライブに来た。小学生だった私は親にせがんでライブに行ったのだが、人生で初めてのライブは実は「たま」のライブだった。2000人くらいのキャパで少し離れた2階席だったと記憶している。あまり覚えていないが、ガラガラだったのと最前列にはガチ勢の3人くらいの女性がいたことをすごく覚えている。もう30年も前だとセトリとか全然わからないが、ステージ上の4人とランニング姿はすごく目に焼き付いた。

もう少し「昔」の話をしたい。グランドイカ天キングになった当時小学生だった私は、その経緯は後に知ることとなった。ちなみにグランドイカ天キングは2年弱の番組放送で7組存在する。FLYING KIDS、BEGIN、BLANKEY JET CITY等そうそうたる面々がグランドイカ天キングになっているが、その中でもたまは最強のイカ天バンドと言っても過言ではない。そんなイカ天の様子をまとめてくれている「ラジケン」さんという方がいらっしゃるのでもし良ければ。

たまは確かに子供が好きそうな音楽だったと思う。私も子供ながらに面白かったし、不思議な歌詞だなぁと思っていた。今聞いても「さよなら人類」の歌詞の意味はわからない。だけどワードセンス、メロディともに異次元の世界だ。その上にあの個性的な人たちが、個性的な演奏をしていたら誰でも振り向く。そんな気がしながら今回この記事を書こうと思った。そして懐かしさの余り1stアルバム「さんだる」を入手してしまった。「昔」の小学生の自分に「まさか30年後手に入れるよ」と「今」のおっさんの自分が伝えてあげたい。

今回は「今」と「昔」の話を往来してみた。子供の頃に見た「たま」は面白くて、キャッチーで、耳に残るグッドメロディを教えてくれた楽しいバンドに見えた。大人、そして幾らか音楽を聞いてきたおっさんが見た「たま」は、思いもよらない、畏怖の念を抱く天才的な音楽を作り出した超絶技巧バンドに見えるようになっていた。この感覚を味わえただけでも音楽を聞いてて良かったし、本当に面白いなと思える。とにかく相当好きなバンドなんだと感じた。

最後はやはりこの曲「さよなら人類」。アルバムも手に入れたし、私的名盤考察にも入るかも。「世に出てきたのが早すぎたのか」と冒頭で書いたが、今回色々考えてみた結果「多分まだ時代が追いつけていない」と思ってしまった。そして、未来を歌ったこの曲。歌詞では今の戦争のようなことが歌われているし、もしかしたら人類は退化し、人はサルに戻ってしまうかも知れない。深い歌詞だなぁと思いながらご一聴。