音楽好きの今の話と昔の話

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「人間として」 椎名林檎と正義

「人間として」

こういったタイトルを掲げられてしまうとかなり深い世界観なのだろうかと構えてしまう。歌詞だけ見るとかなり壮大な感じを受ける。

「正義」

この言葉が今回の楽曲で一番多く登場するワードである。正義とは何か?という意味に近いのかどうかわからないが結局は人間が生み出しているもの、人間としての業だと締めくくっている。

 

人間として

人間として

  • アーティスト:椎名林檎
  • ユニバーサル ミュージック
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今回の話は椎名林檎さんの2024年最初の新曲「人間として」の話だ。たまに登場する舞台感満載の楽曲。「Destiny」というドラマの主題歌として書き下ろしたそうだ。

「業(ごう)」

話は歌詞に戻る。仏教用語としての「業」は調べてみるとなかなか深い。あっているかわからないが自分なりの「業」の解釈をしてみると、やろうと思う意思、そしてそれを行動にうつしその後の結果どうなるか、という一連の流れを指している。善い意志があれば善い行為としての結果として残り、悪い意思があれば悪い行為としての結果を引き起こす。正義は自分の意思での正解を示してくれるもので、善悪というよりは自分の大義のため、やはりこの「業」という言葉と少しリンクしていると感じる。

こちらは2019年のアルバム「三毒史」より1曲目に収録されている「鶏と蛇と豚」のMV。このときも仏教系の考え方を取り込んでおり、椎名さんの作品に影響を与えている概念のひとつとなっているようだ。

と、まあ小難しい話はこのあたりにして今回の楽曲を聞いて思い出された過去作品がある。

「人生は夢だらけ」。

ポルターガイスト」ライブバージョン。両方とも変則的な拍子の名曲。紡いでいくような歌詞とメロディが独特な世界観を作り出していく。今回の新曲も同じような香りが漂っていると個人的に感じる。

2022年にアニメ・おじゃる丸の主題歌となった「 いとをかし」。何故急に引っ張り出してきたかといえば、この曲の一部が「人間として」のMVの最後に流れているためである。何とも憎い演出だ。まさに人間とは「いとをかし」なのかも知れない。

さて、ここまで散々引っ張ってきた新曲「人間として」の話。歌詞やメロディの世界は大事だが、やはり私は「声」。あの声で淡々と歌い上げる様が一番痺れる。まさに私にとっての「正義」は椎名さんの声だ。声は正義だ、と意味のわからないことは気にせずご一聴を。