音楽好きの今の話と昔の話

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2周目で見るパンクカバー Me First and the Gimme Gimmes

今更ながら言いたいことがある。Me First and the Gimme Gimmesは最高のカバーパンクバンドだと思っているというのが今回の話。

Me First and the Gimme Gimmes( ミー・ファースト・アンド・ザ・ギミー・ギミーズ)をご存知のない方のために簡単に説明をすると、Fat Wreck Chordsが誇るオールスターバンドと呼んでも過言ではない。VocalsはSpike Slawson (Swingin' Utters)、GuitarはJake Jackson (Foo Fighters,元NoUseforaName) 本名Chris Shiflett、同じくGuitarのJoey Cape (Lagwagon)、Bassが我らがFat Mike (NOFX)、そしてDrums、Dave Raun (Lagwagon)と言った錚々たるメンツである。

 

 

今回もやられた。気を抜いてABBA(アバ)の名曲「Dancing Queen」のカバーを聞こうと身構えていたら流れてきたのはこちらだった。

こちらもThe Clashの名曲「Janie Jones」。このイントロからのAメロはやられた。そして 「Dancing Queen」へ流れていく。そして最後はまたもや「Janie Jones」できっちり締める。

The Beach Boys(ザ・ビーチ・ボーイズ)の名曲「Sloop John B.」のカバーも秀逸だ。The Beach Boysと親和性の高いパンクバンドRamonesの「Teenage Lobotomy」のイントロから始まる。個人的にかなり熱い組み合わせである。オリジナル 「Teenage Lobotomy」のイントロ部分「Lobotomy!」とコールする部分を「Sloop John B.」と韻踏んでるのがかなり面白い。折角なのでそれぞれの原曲をどうぞ。

とにかくこのバンドは単なるパンクカバーバンドではなく、こういったサンプリングというかマッシュアップというか、過去の名曲を挟み込んで来るのが「粋」である。先程の 「Sloop John B.」の収録されているアルバム「Blow In The Wind」(2001年)にもうひとつ好きなマッシュアップ曲がある。オリジナルはThe Turtles(タートルズ)でThe Clashの「London Calling」をインスパイアした楽曲「Elenore」。

確かにオリジナルのこれを聞いたらあのギターリフを被せたくなる気持ちもわかる。The Clashとあわせてどうぞ。

 

単なる名曲パンクカバーというだけでもこのバンドは超一流だと思う。それくらいにカッコいいパフォーマンスであるが故に折角なのでもう一歩踏み込んだ彼らの意図も感じたいと考えるような年齢になってきた。サンプリングというかマッシュアップといった違う楽曲を混ぜ込んだ状態に気付く面白さは、ある程度知識が必要になる。一応挟み込んでくる楽曲は有名な曲が多いものの、古い楽曲が多いのと全てに組み込んでいるわけではないので一種のバンドからの挑戦状に近いものかも知れない。とは言え、実際に聞くとそのイントロを挟み込んでくるのは「なんかわかる」感がすごい。オリジナルを聞いたとき確かにそれっぽいな、という結構あっさり納得出来てしまう「似た感じ」のものが多い。オリジナルのカバーだけではない1曲で2曲分おいしい訳だ。

そして、ある程度年齢を重ねることによっていくらかの名曲たちを知ることが出来た。その上で、「2周目で見るMe First and the Gimme Gimmes」の面白さに気付くことが出来始めた。


さて話を戻そう。面白いアルバムのひとつ「Are A Drag」(1999年)の中からクラシカルな名曲「My Favorite Things」。始まりからBad Religionの「Generator」のメロコア感で突っ走る。

 

同じく「Are A Drag」に収録されているミュージカルソング「Tomorrow」ではラスト部分でCheap Trickの「Surrender」を使用している。

 

 

 

カントリーをテーマにしたカバーアルバム「 Love Their Country」(2006年)よりJohnny Cash(ジョニー・キャッシュ)の「Sunday Morning Coming Down」のカバー。

こちらはThe Clashの「Police and Thieves」をマッシュアップしている。オリジナルの 「Sunday Morning Coming Down」とあわせて。

Carole King(キャロル・キング)の「You've Got a Friend」のカバーではThe Ramonesの「Blitzkrieg Bop」を電撃バップしている。

比較的The RamonesThe Clashの頻度が多いように感じるのはやはり印象的なフレーズが多いからだろうか。どちらにせよ個人的にかなり好きなバンドなのでかなり嬉しい。

Me First and the Gimme Gimmesといえば「Country Roads」のカバーが個人的には印象的だ。数多くのカバーが存在する 「Country Roads」の中でも一際切れ味を感じるカバーだ。オリジナルはJohn Denver(ジョン・デンバー)だが、日本でも耳馴染み深い楽曲。この楽曲を最後に紹介したい。私もこの楽曲を知ったのは「Fat Music Vol. 2: Survival Of The Fattest」という1996年発売のFat Wreck Chordsのオムニバスアルバムだ。このV.Aアルバム自体かなりの名盤なのでまた話がしてみたいが、このアルバムの最後に収録されているのが 「Country Roads」である。 このカバーはイントロからして渋い。マッシュアップ的な「2周目が楽しい」みたいなことを呟きながら、結局最後はシンプルな原点に還るようなパンクカバー。まさに"Take me home,country roads"な気分でご一聴を。