少し寒さが和らいできたか。とは言え明日から2月だがまだまだ油断は出来ない。たまには今回はFATの話。Mad Caddiesと言うバンドをご存知だろうか?アメリカ出身で、バンドは和訳すると宜しくない名前である。ビーチ・ボーイズの「PET SOUNDS」のように皮肉った名前であれば良いが、直接的なワードを使用している。
そんなMad Caddiesだが、名前はヤバいが音もヤバい。早速その音を聞いてもらいたい。
1998年「Road Rash」
渋い。単なるスカパンクではなく、いわゆるジプシー音楽要素を潜めながら、おしゃれかつ激しく仕上げている。緩急の付け方がうまいのだ。なんか一見おちゃらけた雰囲気を醸し出しながら、演奏は本格派である。1995年結成、カリフォルニア発のスカパンクバンドだが、異彩を放っていた。
2003年「Leavin」
続けて渋い。1990年代後半にかけて流行ったスカのサードウェーブから飛び出してきたバンドだが、実力はもちろん楽曲のセンスも抜群だった。シリアスさとコミカルを併せ持った異色のバンドである。
2014年「Down and Out」
これまた渋い。アップテンポな楽曲ばかりではなく、この楽曲のようなスローリーな裏打ちでシリアスな側面を見せている。クラシカルなアレンジを見せながらクオリティの高さが際立つカッコいい曲。
残念ながら2023年1月現在メンバーはボーカルのチャック・ロバートソン1人である。日本でも根強い人気を誇る彼らの最後の曲は2020年「Let it go」。実にシンプルなスカでレゲエと言ってもいいくらい。メンバーのこともあるが今後も活躍は続けて欲しいという思いでご一聴を。