音楽好きの今の話と昔の話

普段目についた音楽について何となく語ります。

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桜ソングの話から見るtsuki. 「サクラキミワタシ」

以前も記事にしたtsuki.さんがこれからのシーズンに持って来いな感じだ。

15歳ながら卓越した歌唱力と素晴らしい楽曲センス。そんな15歳だからリアルな感情で歌い上げる「サクラキミワタシ」はその説得力が凄まじい。早速チェックしていただきたい。

当たり前なんだが、この卒業シーズン前にこんな切ない歌をリリースするのはビジネス的にも定石だ。そこをわざとらしいと捉える考えも当たり前に生まれるだろう。だけど中学3年生の彼女に歌われると何も言えない。だってリアルだから。マジで素直に聞こうと思うし、聞いて欲しい。

 

サクラキミワタシ

サクラキミワタシ

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さて、話は変わるがここで桜ソングを少し考えてみた。桜の季節は年々早まって来ている、という気がするが実際どうなのか?桜と言えば入学式のイメージもあるが、その時期には終わっている気もする。実際に気象庁の「さくらの開花日」を調べてみた。すると面白いことが見えて来た。結論からいうと近年急激に桜の開花宣言が早くなっている。1953年からのデータを集めていたのだが、東京を基準に見ていく。トータルの平均で3月24日となっているが、ここから先は私が勝手に算出した。1953年から1960年までの期間の平均は3月26,27日位、1961年から1970年は4月1日位、1971年から1980年は3月28日位、1981年から1990年は3月29日位、1991年から2000年は3月26日位とまぁ緩やかに前後している。さて、ここからは少し変わる。2001年から2010年は3月22日位、2011年から2020年は3月22日位でこの期間を2023年まで延ばすと平均が3月20日位になる。2020、2021、2023年は観測史上最速の3月14日だった。ちなみに4月に宣言を出したのは1988年が最後だった。当時の桜ソングと言えば?といえる楽曲を見つけるのは難しいと言われている。確かに1980年代以前も季節を思わせる楽曲は存在した。だけれどもどちらかと言うとこのシーズンは「卒業」という意味合いか強い別れのヒット曲が多かった。尾崎豊さん「卒業」(1985)、斉藤由貴さん「卒業」(1985)とタイトルそのままである。具体的に「桜」の関連ワードがタイトルに入って大ヒットした曲はスピッツの「チェリー」(1996)年からかも知れない。しかし、この曲の歌詞には一度も桜という言葉が出てこない。

その後私が大好きなアーティストのひとり川本真琴さんが「桜」でガッツリと歌い切ってくれた。神曲

と、ここから2000年代からは桜ソングが定番化していく。福山雅治さん「桜坂」(2000)、森山直太朗さん「さくら」(2003)、コブクロ「桜」(2005、正確には2000)と立て続けにヒットし、最大の桜ソングブームがやってくる。その後2010年頃から減少に転じ始めて現代にいたる。

さて、話を少し戻して気象庁データに戻る。確かに桜の時期の早まりに合わせたかのように桜ソングが世に浸透し始める。不思議なのは桜はピンクで華やかに咲き誇るし、どちらかというと明るいイメージである。しかし、新年度を迎え新しい出会いに期待することよりも実際は散る儚さに注目する人が多いのかわからないが、桜=別れの歌が多い。新しい出会いに期待するより、別れを惜しむ桜ソングが多いのが何とも日本人的なのかな。東京を基準とした数値だったが、3月14日よりこれからも早まる可能性がある。ホワイトデーなんて言っている場合で無くなってしまうかも知れないし、入学式のイメージが強かった桜の時期は大昔の話となってしまった。結局桜ソングの時期は地域によるが卒業式と同時期と言っても問題ないと考えられる。

最後は最初の話に戻る。そんな桜ソング「サクラキミワタシ」は卒業ソングだと言うことがはっきりとわかった。まあ歌詞を見ればわかるが、実際の情景も歌う彼女の年齢も全てがリアルだと言うことが興味深い。併せて面倒な大人になってしまったかな。では最後に本人弾き語りバージョンをご一聴。