音楽好きの今の話と昔の話

普段目についた音楽について何となく語ります。

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脳留守=ノールス シンガーズハイ

今時っちゃあ言えば今時。だけどその歌詞とメロディは、鋭利な切先でブッ刺してくれる。そんなバンドとの出会いは2023年の夏だった。板歯目のライブに行った私が目にしたのは、ハイトーンボイスで次から次へと切りつけてくる4人組バンドだった。

今か今かと板歯目を待っていた私の前に現れた彼らは、私の耳に次々とアバンストラッシュ…いや古い、斬鉄剣の如く…もっと古い、牙突…なんか変に古い、霹靂一閃の如く鋭利な音をぶつけてきた。なんて古臭い前振りはこのあたりにしておいて、それくらい切れ味を感じたサウンドと歌詞だった。

 

Love and Hate

Love and Hate

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KOGA Recordから最初リリースされていたので、バンドの存在は知っていた。古閑社長とも絡んでるポストも見たことがあったので何となく印象があった。この曲も耳にしたことがあった。

彼らの代表曲「ノールス」。タイトルにあげた「脳留守」と同義で古くからある隠語、いわばスラングである。漢字にすればなんとなくわかると思うが、頭が足りないとかバカとかそう言ったニュアンスである。人をディスる時に使うような言葉になるが、この楽曲の歌詞では「私」が「あなた」に対して「頭わりーなー。もうちょっと頭使えや」と言うことを恋愛関係の中で歌っている。馬鹿な「あなた」に対して「私」が上から目線で説教しているような歌詞にみえるが、反対にそんな相手を突き離さない「私」も恋愛に盲目的な「ノールス」である。

 

 

アレ?なんか深いぞ?と思わせられる歌詞の世界観が面白い。何気にどこかノスタルジックなイントロから始まり、捲し立てていくようなメロディ。サビは縦ノリで聞いている側をリズムに乗せて一体感を持たせる構成にするあたり、彼らは「ノールス」ではないことがよくわかる。

そんな彼らをご存知ない方のために簡単に紹介を。2020年から活動開始した4人組バンド(敬称略)。挑発的な歌い方とは裏腹にサラッサラな長髪が印象的なギターボーカルの内田ショート。アレ?女性かなと思わせる雰囲気を持っている同じくサラサラヘアーのギター・ほりたいが。ステージ上で対をなすかのようなベーシストのみつ。そしてセンターバックで落ち着いた雰囲気を醸し出すドラムスのりゅーいち。なんか個性的な今時のメンツである。

「Kid」はさらに挑発的な楽曲だ。「ノールス」同様皮肉たっぷりである。強烈に尖った歌詞からのギターリフがカッコ良すぎる。彼らのスタイルがこの2曲に集約しているとは言わないが、かなりパンクスだ。こんなことを彼らに伝えたところで「わかってねぇなー」とディスられそうだが、それも含めてサイコーだ。

「climax」みたいなストレートなラブソングもやってくれる。疾走感あるメロディアスな楽曲も良い。また、「我儘」のようないかにも初期衝動な感じもガッツリ演ってくれる。

そんな彼らも2023年11月に1stフルアルバムをリリースした。有名曲もしっかり放り込んでくれていている。

 

 

最後にそのフルアルバムから「パンザマスト」という曲をお聞きいただきたい。派手なイントロから打って変わって、低速でAメロ、Bメロ。お約束のようにサビの寸前でハイトーンボイスへギアを一気にあげる。サビを突っ走る感じが心地よい一曲。そうそう、彼らの名前は「シンガーズハイ」。名前よりも中身を感じて欲しいサウンドだったのでこういう紹介にしてしまった。走り続ける彼らはランナーズハイならぬシンガーズハイの境地に辿り着けたのか?ライブで見た表情は気持ち良さそうではあったが、まだまだ足りないもっと上のシンガーズハイに辿り着けると思わせられた。では、最後にご一聴。