(2023年12月追記更新)
確信に変わった。本物である。先日Xで何度か呟いていたが、そんなバンドのライブに行ってきた。
目当ては板歯目。過去記事にて絶賛したバンドだが、是非生で見てみたくて参戦した。
場所は高松sound space RIZIN'。地方の小さなライブハウスだが内装が面白い。キャパも100人程度で演者と観客がとにかく近い。
ツーマンライブの対バンはシンガーズハイ。バンドは知っていたが、じっくり聞くのは初めてだった。実際聞いてみて「ノールス」とか何曲か知っている曲もあったし、想像以上に良いバンドだった。元々の印象は「スマートなハイトーンボイスのバンド」だったが、かなり泥臭いパフォーマンスだった。「板歯目に合わせた」みたいなニュアンスのとこを言っていたが、かなりハードな音をぶちかましてくれた。また聞き込んで記事にしてみようと思う。
(後日記事)
先にセトリは以下のとおり。オフィシャルのXから引用する。
ご覧いただいたとおり、ツーマンライブとは言え曲数が多い。1時間程度で18曲もやってくれた。MCが苦手なのか、やらないと言うスタイルなのかわからないがひらすら曲、曲、曲。ただでさえパンチの強い曲が多いので、聞いているこちらはまさにサンドバッグ状態だ。だが悪くない。むしろこのバンドの音楽はそれがいい。
「コドモドラゴン」「エバー」「雪だるま」「セツナグル」「イルカ is here」「オルゴール」。いきなり演奏始めたかと思ったらここまでぶっ通し。強い。いきなりラッシュで畳み掛けて来た。オルゴールが終わって軽くMC。そこからまたバンバンやってくる。
ここまでもう音の拳でなぐられ続けている訳だが、一向にこちらも満たされない。何故かそのバッキバキでゴリゴリの音をもっと欲してしまう。
「SPANKY ALIEN」と、まぁここまでで一旦終了。これだけやってくれたら、もうお腹いっぱいと言いたいところだったが、個人的に聞きたかった2曲が演奏されなくて少し物足りなかった。アンコールがあるだろうなと思っていたら立て続けにその2曲だ。
「沈む!」と「地獄と地獄」。正直なところこの2曲を待っていた。しかもアンコールでやってくれて感動が増した。「地獄と地獄」は生で聞けて衝撃だった。
まあここまでセットリストに合わせてYouTube動画を並べてみたが、これを1時間少々でやり切ってしまうあたり、まず彼らの若さに脱帽だ。そして、3人が3人ともポテンシャルが異常に高い。ベース・ゆーへいもゴリゴリの超絶技巧で観客を煽り倒す。ドラムス・庵原大和のバッキバキのリズムと狂気じみたシャウト、絶妙なカウントにいつも目を引いてしまった。そして、バンドの華とも言えるギターボーカル・千乂詞音の歌い方は常軌を逸している。あの歌唱のボーカルはいるが、なぜここまで安定して出せるのか。そしてそのタフさは疑問しか浮かばない。その声はいつまで持つんだろうか?その答えはわからない。疲れているのはわかるが、その素振りを見せないし、終盤でもあの声が普通に出ている。その上であのエモいギターだ。このタフさに関しては3人とも共通している。若いからでは片付けられない。
そして、様々な曲を通しで聞いていて感じたことがある。それは、このバンドの音がどこかノスタルジックだということだ。ハードロックであったり、少しロカっぽかったり、グラマラスだったりと古い音楽の風味を感じる。確かに観客の8割か9割くらいは20歳前後ではあったが、その雰囲気を知らずとも食い付いてくるのは板歯目が稀有なバンドである証明なのかも知れない。
さて、最後はライブでは演奏されなかった曲「まず疑ってかかれ」でこの記事を終わりにしたい。褒めすぎたかも知れないがものすごいバンドであることには違いない。ライブ前の物販で少し話した印象も普通の今時の若者だ。ボーカルのちがさんはMC同様少しおとなしいくらいの印象だ。あのパフォーマンスの時の変身ぶりはなかなか衝撃を受け、どちらが本来の彼女かわからない。とはいえ、もちろん単なる「ワニ、カメ、トカゲの曲」をやるバンドではない。猛毒のヘビもいれば、恐竜もいるし、異星人もいる。オマケに雪だるまもいる。そんな何が出てくるかわかないめちゃくちゃカッコいいバンドだと言うことが伝えたかった。皆さんには疑わずに聞いて欲しいと思いながらご一聴を。