音楽好きの今の話と昔の話

普段目についた音楽について何となく語ります。

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Glass Beamsというバンドの話

最近気になる音楽を耳にした。界隈で話題となっているらしいバンド「Glass Beams」の話だ。私も何気なくピックアップされた動画を見て、なかなか衝撃を受けた。あまり聞きなれないジャンルの音楽だが、その風貌さながらの未知数な音楽だった。早速「Mirage」という曲をご覧いただきたい。

覆面バンドと呼ぶべきかわからないがこのバンドの名前は「Glass Beams」(グラス・ビームス)。オーストラリアのメルボルン発のバンドだ。Rajan Silva(ラジャン・シルヴァ)を中心としたメンバーは3人、つまりスリーピース、トリオバンド。Rajanの父はインドからのメルボルンに移住してきており、インド音楽をDNAに持ちながら、西洋音楽を聞いて育った。エキゾチックやオリエンタルなど様々なイメージで形容ができる音を生み出している。

 

Mirage

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そんなRajanの原点は父と見たDVD。2002年ロンドンで行われたビートルズの故ジョージ・ハリソンのトリビュートライブでのワンシーンが目に焼き付いているとのこと。インドの伝説的シタール奏者ラヴィ・シャンカーンとその娘アニューシュカが、エリック・クラプトンポール・マッカートニー、ELOのジェフ・リンと一緒にパフォーマンスしたことが彼のアーティスト魂に火を付けたようだ。どこかサイケデリックな世界観を持ちながらインド音楽をちらつかせてくる音楽は、彼の持つDNA+父親の影響は大きいと想像できる。

冒頭のMV、2021年にリリースされたデビューEP「Mirage」が話題となり、すごい勢いで世界的に注目された。なんかおしゃれだ。メロディラインはどこかインド的ではあるがベースラインは西洋的でジャズでファンクでもある。3人組ということもありシンプルな音ではあるが、独創的な世界観をバランスよく生み出している。各地でツアーで行って大盛況だったようで、世界各地でライブの様子をアップしているのを見かける。ライブハウスみたいなところでもMVと同様の雰囲気を醸しているのが興味深い。同じくEP「Mirage」から「Rattlesnake」という渋い楽曲をどうぞ。

そんな彼らが2024年3月22日に配信でリリースする「Mahal」からタイトル曲を最後にご覧いただきたい。エキゾチックでどこか古めかしくも新しい音楽。様々な感情をもたらしてくれるカッコよくておしゃれな音を奏でてくれる新基準の覆面バンドの今後に注目しながらご一聴を。

UNFAIR RULEといういつものこと

地方都市にも良いバンドはたくさんいる。都市部に集中し、百戦錬磨で磨かれて素晴らしいバンドが生まれ易いのはわかるが、決してそれが正解ではないのが音楽の面白いところ。今回紹介するのは岡山のカッコいいバンドの話。岡山のバンドといえば以前「炙りなタウン」を紹介した。こちらも非常に良いバンドだ。

 

今回の話は、山本珠羽(Gt/Vo)、片山葉(Ba)、杉田崇(Dr)からなる岡山発3ピースロックバンド「UNFAIR RULE」(アンフェアルール)。2019年結成のこのバンドはアルバムを2枚(片方はミニアルバムと銘打っている)とその他にもシングル等いくつかリリースしている。まずは「気づいてほしい」をご覧いただきたい。

2022年の2月にリリースされた1stミニアルバム「たからもの」、2nd「いつものこと」両方に収録されている代表的な1曲。ガールズギターボーカルで3ピースバンドっぽいキャッチーでポップでメロディアスなところへ少しヘヴィーなサウンドが効いている。

 

たからもの

たからもの

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「TOKYO CALLING 2023」や「MINAMI WHEEL 2023」などのイベントに出演し、知名度が高まってきている。気怠さを残したボーカルに各パートの絡み合いとエッジが効いたサウンドが目を引いた。

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2ndアルバム「いつものこと」は非常に印象的な1枚だった。何気なく手に取ったのだが、いい出会いだった。1曲目に相応しい感じで収録されている「非行少女」をどうぞ。

周りに溶け込めずに音楽の道を切り開く様子が自然な感じでリアルに伝わってくる歌詞だ。リアルとはそんなにセンセーショナルでもないし、ドラマティックでもない。それをロックで「いつものこと」のごとく届けてくれている。続いては「わからないままで」。

ギターサウンドが心地よい。このバンドのメロディはどこかノスタルジックに感じる。歌詞も若者が感じる普遍的な悩みだったり、シンプルな喜びだったりとありきたりっぽく感じるが、どこか今風なのだ。

 

 

さて最後は「悲しくないよ、」という楽曲。これからこのバンドは売れ始めると、バンド名のようなUNFAIR RULE、不公平なことや理不尽なルールが付き纏って来るだろう。だけどそのままこのバンドのサウンドのように突き抜けていって欲しい。多分そんな理不尽ぶっ壊してしまう、そんな期待をしながらご一聴を。

 

 

 

桜ソングの話から見るtsuki. 「サクラキミワタシ」

以前も記事にしたtsuki.さんがこれからのシーズンに持って来いな感じだ。

15歳ながら卓越した歌唱力と素晴らしい楽曲センス。そんな15歳だからリアルな感情で歌い上げる「サクラキミワタシ」はその説得力が凄まじい。早速チェックしていただきたい。

当たり前なんだが、この卒業シーズン前にこんな切ない歌をリリースするのはビジネス的にも定石だ。そこをわざとらしいと捉える考えも当たり前に生まれるだろう。だけど中学3年生の彼女に歌われると何も言えない。だってリアルだから。マジで素直に聞こうと思うし、聞いて欲しい。

 

サクラキミワタシ

サクラキミワタシ

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さて、話は変わるがここで桜ソングを少し考えてみた。桜の季節は年々早まって来ている、という気がするが実際どうなのか?桜と言えば入学式のイメージもあるが、その時期には終わっている気もする。実際に気象庁の「さくらの開花日」を調べてみた。すると面白いことが見えて来た。結論からいうと近年急激に桜の開花宣言が早くなっている。1953年からのデータを集めていたのだが、東京を基準に見ていく。トータルの平均で3月24日となっているが、ここから先は私が勝手に算出した。1953年から1960年までの期間の平均は3月26,27日位、1961年から1970年は4月1日位、1971年から1980年は3月28日位、1981年から1990年は3月29日位、1991年から2000年は3月26日位とまぁ緩やかに前後している。さて、ここからは少し変わる。2001年から2010年は3月22日位、2011年から2020年は3月22日位でこの期間を2023年まで延ばすと平均が3月20日位になる。2020、2021、2023年は観測史上最速の3月14日だった。ちなみに4月に宣言を出したのは1988年が最後だった。当時の桜ソングと言えば?といえる楽曲を見つけるのは難しいと言われている。確かに1980年代以前も季節を思わせる楽曲は存在した。だけれどもどちらかと言うとこのシーズンは「卒業」という意味合いか強い別れのヒット曲が多かった。尾崎豊さん「卒業」(1985)、斉藤由貴さん「卒業」(1985)とタイトルそのままである。具体的に「桜」の関連ワードがタイトルに入って大ヒットした曲はスピッツの「チェリー」(1996)年からかも知れない。しかし、この曲の歌詞には一度も桜という言葉が出てこない。

その後私が大好きなアーティストのひとり川本真琴さんが「桜」でガッツリと歌い切ってくれた。神曲

と、ここから2000年代からは桜ソングが定番化していく。福山雅治さん「桜坂」(2000)、森山直太朗さん「さくら」(2003)、コブクロ「桜」(2005、正確には2000)と立て続けにヒットし、最大の桜ソングブームがやってくる。その後2010年頃から減少に転じ始めて現代にいたる。

さて、話を少し戻して気象庁データに戻る。確かに桜の時期の早まりに合わせたかのように桜ソングが世に浸透し始める。不思議なのは桜はピンクで華やかに咲き誇るし、どちらかというと明るいイメージである。しかし、新年度を迎え新しい出会いに期待することよりも実際は散る儚さに注目する人が多いのかわからないが、桜=別れの歌が多い。新しい出会いに期待するより、別れを惜しむ桜ソングが多いのが何とも日本人的なのかな。東京を基準とした数値だったが、3月14日よりこれからも早まる可能性がある。ホワイトデーなんて言っている場合で無くなってしまうかも知れないし、入学式のイメージが強かった桜の時期は大昔の話となってしまった。結局桜ソングの時期は地域によるが卒業式と同時期と言っても問題ないと考えられる。

最後は最初の話に戻る。そんな桜ソング「サクラキミワタシ」は卒業ソングだと言うことがはっきりとわかった。まあ歌詞を見ればわかるが、実際の情景も歌う彼女の年齢も全てがリアルだと言うことが興味深い。併せて面倒な大人になってしまったかな。では最後に本人弾き語りバージョンをご一聴。

たま 「今」と「昔」の話

世に出てきたのが早すぎたのか、はたまたピッタリだったのかがわからない。かと言ってこのバンドがどこかの時代で当てはまったのかということもわからない。意図せず偶然にも2月22日猫の日にこの記事をアップすることになった。それほど運命的で不思議な天才的バンド「たま」の話をしてみたい。

 

 

とにかく不思議なバンドだ。一般的には「さよなら人類」の人、世代によっては「ちびまる子の歌」の人と呼ばれることもあるが、ランニングの人やおかっぱあたまの人がいるバンドという一種のイロモノバンドである。しかし、異彩を放つそのスタイルは確固たる技術を持つバンドだったというのが今見るとよくわかった。まずご存知ない方のために簡単にメンバー等説明をしておきたい。1984年頃に結成され2003年に解散。最終的なメンバー(敬称略)は知久寿焼(ボーカル・ギター)石川浩司(ボーカル・パーカッション)滝本晃司(ボーカル・ベース)の3人だが、いわゆる最も露出していた時期は4人だった。もうひとり柳原陽一郎(ボーカル・キーボード)は1995年に脱退している。3人とも4人とも言えるバンドだが、世に出たきっかけはなんと言ってもイカ天で3代目のグランドイカ天キングになったことだ。と言いながらも私はこの手の話は後に知った話。また後で詳しく「昔」を話していきたい。とりあえずは「今」のメンバーの様子を見ていきたい。

このCM曲は聞いたことがあると思う。この歌を歌っているのはさっき言っていた「おかっぱあたまの人」である知久さんだ。以前書いた記事で「声」をテーマにしたものがあったのだが、こちらで知久さんの名前を挙げているくらい好きな声だ。

こんなオシャレな感じで楽曲参加していることもある。たまという個性の寄せ集めのような集団で麻痺してしまうが、異質の才能が滲み出ている。面白すぎる。

さて、こちらは「たまのランニング」ことパーカッション石川浩司さんの様子。ユニークな風貌ながら何気に超絶パーカッションテクニックをみせつけてくる。そして今でも不思議なサイト「石川浩司のひとりでアッハッハー」を毎日のように更新している。

「G」こと滝本晃司さんはたまのイケメン担当だった。石川浩司さんと一緒にライブやったりしているのだが、かなり色っぽい声をしている。しかし、この「サーカスの日」というライブ動画の石川さんのパーカッションのスティックが気になってそちらを見てしまう。

一足早く脱退した柳原陽一郎さんもソロ活動をずっと続けていて、いくつものアルバムをリリースしている。代表曲であるあの「さよなら人類」も「オゾンのダンス」も柳原さんの作詞なので、たまとして聞くことがないのは少し残念だ。個人的に好きな曲は柳原さん作曲が多いのに今回色々見ていて気が付いた。

今でもコンスタントに音楽活動をしている彼らは元々ソロ活動を行っていた方たちだからだ。たまはソロアーティストの集まりで出来ていたバンドだった。だから解散したからといって別に音楽活動を辞めることはなかったし、地道に続けているのが現状だ。たまのときも自分で作った曲は自分で歌うスタイルだった。石川さんも「ソロアーティストの集まりで自作曲自分ボーカル制」と発言していたようだ。そんな「今」聞いて改めて思う。最初にも少し言ったが、全員とにかく上手すぎる。演奏も歌唱も凄すぎる。別に贔屓目に言わなくても天才集団なんだとつくづく思う。

話は「昔」へと向かう。個人的な話だが、1990年頃当時小学生だった私はたまのCDを持っていなかった。友人のカセットテープの曲を更にカセットテープへダビングしたもの、おそらく1stアルバム「さんだる」だったと思われるものを文字通り擦り切れる程聞いた。

 

そして、近所のコンサートホールへたまがライブに来た。小学生だった私は親にせがんでライブに行ったのだが、人生で初めてのライブは実は「たま」のライブだった。2000人くらいのキャパで少し離れた2階席だったと記憶している。あまり覚えていないが、ガラガラだったのと最前列にはガチ勢の3人くらいの女性がいたことをすごく覚えている。もう30年も前だとセトリとか全然わからないが、ステージ上の4人とランニング姿はすごく目に焼き付いた。

もう少し「昔」の話をしたい。グランドイカ天キングになった当時小学生だった私は、その経緯は後に知ることとなった。ちなみにグランドイカ天キングは2年弱の番組放送で7組存在する。FLYING KIDS、BEGIN、BLANKEY JET CITY等そうそうたる面々がグランドイカ天キングになっているが、その中でもたまは最強のイカ天バンドと言っても過言ではない。そんなイカ天の様子をまとめてくれている「ラジケン」さんという方がいらっしゃるのでもし良ければ。

たまは確かに子供が好きそうな音楽だったと思う。私も子供ながらに面白かったし、不思議な歌詞だなぁと思っていた。今聞いても「さよなら人類」の歌詞の意味はわからない。だけどワードセンス、メロディともに異次元の世界だ。その上にあの個性的な人たちが、個性的な演奏をしていたら誰でも振り向く。そんな気がしながら今回この記事を書こうと思った。そして懐かしさの余り1stアルバム「さんだる」を入手してしまった。「昔」の小学生の自分に「まさか30年後手に入れるよ」と「今」のおっさんの自分が伝えてあげたい。

今回は「今」と「昔」の話を往来してみた。子供の頃に見た「たま」は面白くて、キャッチーで、耳に残るグッドメロディを教えてくれた楽しいバンドに見えた。大人、そして幾らか音楽を聞いてきたおっさんが見た「たま」は、思いもよらない、畏怖の念を抱く天才的な音楽を作り出した超絶技巧バンドに見えるようになっていた。この感覚を味わえただけでも音楽を聞いてて良かったし、本当に面白いなと思える。とにかく相当好きなバンドなんだと感じた。

最後はやはりこの曲「さよなら人類」。アルバムも手に入れたし、私的名盤考察にも入るかも。「世に出てきたのが早すぎたのか」と冒頭で書いたが、今回色々考えてみた結果「多分まだ時代が追いつけていない」と思ってしまった。そして、未来を歌ったこの曲。歌詞では今の戦争のようなことが歌われているし、もしかしたら人類は退化し、人はサルに戻ってしまうかも知れない。深い歌詞だなぁと思いながらご一聴。

 

音が楽しいバンド Lala

また良いバンドを知ることが出来た。たまたま板歯目のギターボーカル千乂さんが動画をポストしていた。何気なくクリックしてみたら思いのほかよかった。

京都発ギターロックバンド「Lala」の「崖っぷちガール」という楽曲。メンバーは現在3人でギターボーカル・ayaho、ギター・TAKETO、ドラム・YUMEKAで構成されている。「崖っぷちガール」とタイトル通りの歌詞とは裏腹に、キュートなボーカルにポップなメロディ、西海岸をイメージさせるほどに乾いたギターがこの楽曲を軽やかにしている。十代白書2020年の決勝大会で準グランプリを獲得しているとのことで、かねてから注目度バンドであったようだ。続いての楽曲は「死にものぐるいで恋をしていた」。

 

 

まさに高校生には死にものぐるいで聞いてもらいたいくらい歌詞は胸が締め付けられる。若さゆえの切なさがよくわかる歌詞。これまた複雑な感情と裏腹に音が軽やかだ。いうなれば「音」が「楽しい」。あまり詳しく説明するよりも聞いてもらいたい。

 

別れのキスで

別れのキスで

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「別れのキスで」。効果的な裏のリズムでこの楽曲もライトでポップな仕上がりとなっている。とにかく聞いていて楽しくて気持ちいい音をしている。

こういう何気ないきっかけで知ったバンドは結構不意打ち感があって面白い。2024年2月26日に1stアルバム「ハートビート」がリリースされて、大阪で3月31日にはワンマンも行う。最後も楽しそうに苦しい想いの歌詞を歌っている楽曲「Jealousy」を。これからも期待できそうな彼らの「音楽」をご一聴。

 

文化遺産バンド 蒼き狼たち「Uuhai」「The HU」

中央アジアには面白い音楽がたくさん存在しているようだ。今回紹介するのはモンゴルのモンゴリアンハードロックバンド。まずはどんなバンドかご覧いただきたい。

 

Khar Khulz

Khar Khulz

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「Uuhai」というバンドの「Khar Khulz」という曲。何だこれは?と思われた方もいらっしゃると思う。いわゆる馬頭琴、馬頭ヴァイオリンといわれる「モリンホール」や声が二重に聞こえる発声法「ホーミー」が響き渡る音楽だ。そんな「Uuhai」のメンバーを紹介しておきたい。

Ts. SARUUL(ボーカル、鉄鉱石、アコーディオン)、B. ZORIGOO(モリンホール 、ホーミー)、D. SHINETSOG-GENI(モリンホール、ホーミー)、D. BATBAYAR(パーカッション)D. OTGONBAATAR(ドラムス、作詞作曲、プロデュース)

彼らが奏でるのはロックでハードでヘヴィな音楽だ。そして、その中身は「モリンホール」、「ホーミー」を駆使し、モンゴルの伝統的な長唄「オルティンドー」を奏でている。これら3つの「モリンホール(morin khuur)」「ホーミー(khoomei)」「オルティンドー(urtyn duu)」はユネスコ文化遺産に指定されている。まさに「文化遺産バンド」と呼ぶことが出来る。

実はこのジャンルには「The HU」という第一人者的バンドが存在している。こちらのバンドをご存知の方は多いかも知れない。大ヒット曲「Wolf Totem」をどうぞ。

 

Wolf Totem

Wolf Totem

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この曲は2019年4月のビルボード・ハードロック部門のチャートで1位を獲得した。モンゴルのバンドや音楽家ビルボード1位獲得したのは初めての快挙だった。こちらのバンドの主要メンバーも紹介しておきたい。

Ts. ガルバドラフ「ガラー」(モリンホール、ホーミー)、G. ニャムジャンツァン「ジャヤ」(口琴、ホーミー、ツォール)、B. エンフサイハン「エンクシュ」(モリンホール、ホーミー)、N. テムーレン「テムカ」(トブシュール、バックボーカル)

またツォールなんて聞いたことのない楽器が出てきた。これはモンゴル地域の木管楽器でいわゆる縦笛のような楽器だ。大変わかりやすい解説をしていただいているサイトがあるので引用させていただく。

トブシュールという楽器はトプシュールとも呼ぶらしいが、モンゴルの民族楽器でいわゆる二弦楽器だ。説明は同じく下記で。

説明は続くが口琴は以前Otykenというバンドのとき紹介したことがあるが、口にあてながらビヨンビヨン音を鳴らす楽器だ。こちらも引用させていただくと共にOtykenの記事もどうぞ。

口琴 - Wikipedia

続いては「Uuhai」の「Khun Sureg」という曲をご覧いただきたい。

Khun Sureg

Khun Sureg

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カッコいいのだが、シリアスなのかコミカルなのかわからない。とにかくモンゴルの伝統と現代を結び付けるMVとなっている。どんどん見ていきたい。

ホーミーから始まるこの荘厳なサウンド「Uuhai」の「Ser Ser」。めちゃくちゃカッコいい。伝統音楽的要素をしっかりと詰め込みながら、きちんとヘヴィなサウンドに仕上げている。

 

Ser ser

Ser ser

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さて、ここからのターンは「The HU」だ。

先程の「Wolf Totem」と同じころ、2018年秋頃に動画かアップされた「Yuve Yuve Yu」。この2曲ともハードロックシーンで話題となった。その後ヨーロッパや北アメリカツアーを行うなど、ワールドワイドに活躍している。続いてはMetallica(メタリカ)「Sad but True」のカバーをどうぞ。

Metallicaの重厚感を損なわずに彼らのサウンドもきちんと取り込んでいる。そんな彼らはモンゴル文化を世界に広めたという功績を讃えられて、チンギスハン勲章という最高クラスの勲章を国から与えられた。それほど彼らは自国でも英雄なのだ。

 

Sad But True

Sad But True

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続いての楽曲は2023年の作品「Sell The World」。アニメーションのMVだが、少しショッキングな内容だ。しかし、現代を皮肉ったような内容とも言える。もちろん音は抜群でどちらかというとハードロック感を増したようだ。心してご覧いただきたい。

モンゴルといえば今は広大な草原をフィールドとしている遊牧民のイメージがあるが、かつては巨大な帝国があった。その規模は人類史上最も広大な範囲を支配下に収めた帝国のひとつとも言われている。モンゴル帝国が世界を席巻したのは800年も前の話だ。初代皇帝チンギス=ハンの末裔の彼らにも戦士の血が宿っていることだろう。その戦士としての誇りが生み出したサウンドはもう一度世界を獲ることが出来るか否か。どちらにせよ「The HU」「Uuhai」ともに最高にカッコいい蒼き狼たちであることには変わらない。最後はそんな蒼き狼「The HU」の「This Is Mongol」をご覧いただきたい。これがモンゴルだ!と言い放つ、彼らの叫びをご一聴。

 

This Is Mongol

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自分の話と覚悟を決めろ!

何気に始めたことがここまで続くとなかなか触れない。何のことかというとブログのタイトルである。特に何も考えなくて、ありのままつけた「音楽好きの今の話と昔の話」。何かもう少しひねった名前にすれば良かった、と一度気が付いてしまうとどうも落ち着かない。とは言え、実際この「屋号」とも呼べる名前は検索してみても自分のブログしか見つからないのでオリジナリティは高い。しかし、このブログ名で検索されることはないので変えても問題はないし、多分皆そんなところ気にしてない。という訳でそのままでいこうかな。

変な始まり方をしたがそれにしても今月に入り色々とあった。仕事で分岐点が訪れていて、結構悩んでしまった。

「なんのために生まれて なにをして生きるのか」

こんなアンパンの歌詞が頭をグルグルしてしまった。それをあっさり答えられることは人生において強みだと思う。自分では「こうだ!」と思っていても、いざ口にする寸前で自分の行動を振り返ってしまう。小さいとは言えない会社になってきたので、周りに意見を求めながら、自分なりに解釈し決断を下してきた。自分の判断で多くの人に影響が及ぶ仕事も増えてき始めた。だからこそ自分の意思を持つことの大切さを痛感している。

 

 

悩んで良かったこともある。自分を見つめ直すきっかけになった。自分なりに「ああ…」と思ったことは、どちらに向いて仕事をしていたのだろうと。結局自分は会社が良くなるように仕事をしていたのだが、会社が良くなることというよりはトップの気持ちを汲み取ろうと思っていたのだ。実際には自分が思っているより顧客に向いて仕事をしていなかったように思う。何となく仕事が回っていたのは、自分一人の力ではなく周りの力で何とかなっていただけという幸運だったかも知れない。それに本当の意味で気が付けたことは大きい。そしてトップの判断に抗った決断をした訳だが、今後は自分のため、周りのため、顧客のために仕事をしようと覚悟を決めた。綺麗事のように聞こえるが会社、つまりトップや首脳陣の期待を裏切って自分のわがままで業務を続けていくと決めたのだ。本当に自分勝手な振る舞いだと思ったが、裏切った期待以上の成果を出すつもりでもいる。何が何だかわからない話だがとりあえず社長命令に背いて自分の信念のもとに仕事を続けるということ。冷遇されても致し方ない、という覚悟を決めた。家族にも賛成してもらった。何とかやっていける。

と、こんな自分の話より音楽の話がしたい。なんかサバシスターの音源が本格始動し始めた。3月8日にリリースされるアルバム「覚悟を決めろ!」からタイトル曲がバレンタインの2月14日に先行配信された。

 

ここでも自分勝手な話だがサバシスターに運命を感じてしまった。単純にすごく良いバンドだと思っていたら、なちがKenさんの大ファンだったり、まさかのPIZZA OF DEATH RECORDS(ピザ・オブ・デス・レコーズ)からリリースする流れになって、本当に面白いバンドだなぁと思った。ピザオブデスって言ったら神レーベルだ。ハイスタから始まり、SHERBET、HUSKING BEEHAWAIIAN6とそうそうたる面々だ。そんなレーベルに繋がっていた彼女たちの運命も面白い。しかも、今私が置かれている状況で自分の歳の半分くらいの女の子たちに「覚悟を決めろ!」なんて言われたら、俺も覚悟を決めなきゃな。面白い最高のバンドだ、ありがとう。そうそう、俺もうこの曲買ったから。では最後にご一聴。