音楽好きの今の話と昔の話

普段目についた音楽について何となく語ります。

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「MISIA PEACEFUL PARK」を見てきた話

2023年10月7,8日に奈良・東大寺にて「MISIA PEACEFUL PARK Dialogue for Inclusion 2023」が行われた。

この2日間のうち2日目、8日のライブに参戦してきた。

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あいにくの雨模様。1週間くらい前から心配していたが、ライブ当日ドンピシャで雨。野外ライブなので雨は避けたかったがそればかりはどうしようもない。

MISIAさん(登場人物が多いので以下敬称略)以外にも何人か参加していたがフェスというスタイルではない。MISIAがホストでそこへゲストが次々登場してきて進行していくような形で進められた。ここからは少し内容に触れていくのでこのときだけのリストとは言え一部ネタバレあります。

まずはNARITA THOMAS SIMPSONとMISIAの「傷だらけの王者」からスタートした。

成田昭次寺岡呼人、青山英樹の3人からなるNARITA THOMAS SIMPSONはバンドサウンドでスタートダッシュを切ってくれた。

そして続いての登場は元ちとせ。彼女と言えばこの曲。

「ワダツミの木」は彼女の名を全国的に知らしめた名曲。あの独特の発声方で一躍時のアーティストとなったが、20年経った今でも健在だ。特にMISIAと歌った2曲目「腰までどろまみれ」では低音ボーカルとしての彼女の凄みを感じた。「ワダツミの木」を歌っていたときもそのおどろおどろしいまでに低音のこぶしを感じたが、この「腰までどろまみれ」ではさらにその特徴的なボーカルを見せつけてきた。中川五郎の訳詞バージョンでのカバーをチョイスしたあたりこのライブでのセンスを感じる。

その後現れたのはUA。屈託のない笑顔で登場した彼女はナチュラルに歌い始める。

「Moor」という曲で惜しげもなくその歌唱力を見せつけてきた。ピュアな印象そのままに破壊力抜群のボーカルは、続いてMISIAと一緒に歌った楽曲でその本領を発揮した。坂本龍一が生前"最期の刻"に作った神山まるごと高専の校歌「KAMIYAMA」を2人で歌った。

2人はなんとも言えない研ぎ澄まされた空間を作り出した。その流れでMISIAの力強いソロが何曲か続いた。そして終盤に差し掛かったところで「.ENDRECHERI.」こと堂本剛が登場し、少し雰囲気が変わった。

この「街」は名曲だと思う。若い頃から歌っていたが、この曲はここにきて「味」を感じるようになってきた。MISIAとの「LOVE VS. LOVE」はすごく良かった。

改めてライブの感想を考えてみた。正直なところ「MISIA無双」をやってしまうのではないか?と少し思っていた。最初のNARITA THOMAS SIMPSONではバンドサウンドということもあり、またMISIAがメインボーカルという最初の曲だけではその後の展開を計りかねていた。しかし、序盤の元ちとせのときにその心配は晴れ、それぞれが持ち味をぶつけ合ったコラボは唯一無二のユニットとなった。そしてUAというナチュラルボーンキラーボーカルはあっけらかんとした感じでMISIAとのコラボもやってしまった。似ているようで対極にある2人がそれぞれの良さを引き出したという印象を受けた。そして.ENDRECHERI.として音楽の才能を引き出してきた彼にさらにコラボすることにより進化を促した。

MISIAは、コラボ中は己の歌唱力を見せつけるのではなく、相手を支える役に徹していた。コーラスに回ったり、メインでは無いところを歌ったりと自分を押し殺したかのようなホストっぷりで仲間たちと楽しみながら歌を「奉納」していた。「奉納」と表現していたが、今回は東大寺の初代別当、簡単にいうと住職さんみたいなものにあたる良弁僧正の1250回目の法事だった。出演者は平和への祈りを込めて歌を「奉納」していった。詳細は以下。

https://www.todaiji.or.jp/roben1250/

話が逸れてしまったが、ソロは結局「MISIA無双」だった。わかってはいた、いたんだ。MISIAが歌上手いことは。とにかく上手かった。「当たり前だろ」と言われしまいそうになるが、野外の静まり返った巨大なお寺で響かせた声は信じられないくらい美しく、迫力がありながらも切なさを伝えてくれた。端的にいうと「想像してたよりも上手い」だ。

この「逢いたくていま」なんて本当に心と膝が震えた。自分もそれなりに音楽は聞いてきた。だけど思った。「こんなに歌が上手い人がいるんだ」と。上手いだけではなく感情的だ。深い意味でエモいってヤツだ。それとその才能の塊である声を聞いているみんなに上手く伝えている音響スタッフにも恐れ入った。雨が降ったり、野外でのライブと困難な状況でもMISIAの持つ絶大力をきちんと伝えてくれた。本当に素晴らしいスタッフだと思った。

また、この「Higher Love」なんて歌い終わったとき、観客からため息と歓声が入り混じっていた。本当に観客全てが感心しているのがわかるほどだった。まさにソロの間中は「MISIA無双」状態だった。

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さて、感想としてはまだまだ続けられるが、長話になるのでこのあたりで。寒い中、おまけに雨も降っていたため、なんて苦行だ!なんてことも思った。しかし、その想いを払拭してくれるには充分なパフォーマンスだった。最後はライブでも最後に歌ってくれた「あなたにスマイル:)」をお届けしたい。終わったとき笑顔になれた、そんなライブだった。最後にひとこと、「マジで歌うますぎるな」。ではご一聴。

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