音楽好きの今の話と昔の話

普段目についた音楽について何となく語ります。

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心を何にたとえよう 〜手嶌葵の声〜

テルーの唄の衝撃を今でも覚えている。声を重要視する私は手嶌葵という存在を忘れられなかった。恥ずかしい話このゲド戦記は見たのだが内容を覚えていない。それ程のこの声のインパクトが凄まじかったのである。

透き通った声でありながら、囁き具合が素晴らしく、バランスが絶妙なハスキーさも持ち合わせている。ブレスをコントロールする能力が素晴らしく、ウィスパーボイスは独特の世界観を創り出す。タイトルではないがこの声を何にたとえよう、と考えてしまう。

ゲド戦記当時宮崎さんが「妖精の声」と称した若い彼女の声は未だ衰えをしらない。先程の映像もデビュー10周年のときで、むしろ声量や音域に余裕があるようにも感じられる。

残念ながらこれ程の才能を持ちながら商業的には決して大成功を収めているとは言えない。レコード会社や事務所との兼ね合いがあるからかも知れないし、声や歌い方の存在感がありすぎ、個性が強すぎるのかも知れない。以前紹介したSalyuも同じ匂いがする。

裏を返せば、彼女の声はどの曲を聞いても「テルーの唄」が頭の片隅に現れてしまうのかも知れない。

同じくジブリ映画になるがコクリコ坂での曲、「さよならの夏〜コクリコ坂から〜」のライブバージョンをご覧いただきたい。

正直テルーの唄が頭をかすめたのは否定できないが、それにしても素晴らしい声である。

そんな彼女はデビューしてから数年後レコード会社を移籍した。結構大きな変化だと思う。ヤマハからビクターへ移籍したのだが、ヤマハ時代はカバーかジブリかのような印象が強いラインナップだった。しかし、ビクター移籍後は自ら作詞をしたり、オリジナル曲も多くリリースしている。そんな手嶌葵作詞、大貫妙子作曲の「ちょっとしたもの」をお聞きいただきたい。

曲調が少し変わっているのがわかると思う。しかしながら彼女のユニークな歌声は健在である。その後テレビドラマの主題歌「明日への手紙」で賞を獲るなど活躍する。

この曲を聞くと何故か心が震えてしまう。琴線に触れる声なのかわからないが、とにかく彼女の囁きが私の中の悪い部分をつついている感覚に陥る。とにかく洗われた声であることには違いない。

さて、最後はなんだかんだでジブリで締める。ライブバージョンであるが「風の谷のナウシカ」である。彼女の解釈でのナウシカ、是非ご一聴を。