音楽好きの今の話と昔の話

普段目についた音楽について何となく語ります。

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squirt gunに針を落とす

ふと先日購入したレコードに針を落とそうと思い、盤をレコード棚(正確には箱だが)から出した。ちなみに以前記事にしたレコード盤。

中古盤なので、何の気無しに盤のキズ具合でも確認しようかと思い、中のフィルムを外そうとした瞬間、

「ん?あれ?」

これ、もしかして針落としてないかも、という感触があった。

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盤を保護しているフィルムがあの新品独特の質感と吸い付きを見せているのだ。そして、盤自体もキズひとつなくピカピカで、まさに自分が映るくらい鏡のようであった。ジャケットの角に少し折れ目が付いていたので、ある程度傷んでいると勝手に思っていたのだ。

私は蒐集家とまでは言わないが、多少収集癖がある。そして、「これは!」という新品の盤には針を落とさない。新品のままコレクションしておきたいという欲望が聞くことの欲望に勝ってしまうのだ。繰り返し聞きたければ、CDなり配信なりで手に入れて聞く。そちらの方が音もいい。中古盤であればなんらかの理由がなければ躊躇なく針を落として、アナログの雰囲気を楽しむ。誤解があってはいけないが、アナログがダメなのではなく、アナログはアナログの良さがある。音質的にデジタルに勝っている点は科学的にあまりないと言えるかもしれない。しかし、やっぱりレコードでヘレン・メリルwithクリフォード・ブラウンとか聴きながらウイスキー飲んだりする雰囲気は至高の空間だ。賛否はともかくCDとレコードの違いをわかりやすく説明してくれているサイトがあるので。参考になります。

話が逸れてしまったので元に戻そう。聞くつもりでも、やはり新品だと針を落とす時、ほんの少しだが緊張と楽しみがある。今回も新品(勝手に新品認定してるが)に針を落とす。

ようやくになるがこのバンドの紹介をさせて欲しい。「Squirtgun」はアメリカ・インディアナ州発のポップパンクバンドである。バンド名をタイトルにしたアルバムを1995年にLOOK OUT RECORDSよりリリース。Squirtgun=水鉄砲という意味だが、ジャケットの少年同様悪戯好きのキッズがバンドを組んだようなポップなサウンドである。90年代のポップパンクの醍醐味が詰まったような一枚だ。

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デジタルの方が音がいいとはいえ、アナログ盤の趣きは素晴らしい。再生すればする程、確実に溝は消耗し、音質は低下していく。そして、その劣化がその盤にしか出せない音へと変化させていく。また、いつ針が飛んで盤に傷をつけるかわからないリスクもうっすら背負いつつ聞く緊張感。それらは、アナログ盤を聞く醍醐味のひとつだと勝手に思っている。

現在の音楽の媒体は主に配信、CD、アナログ盤とあるが、どれでもアーティストの想いが詰まっていることに変わりはない。だからどれでもよい音楽であればきちんと聞く側に伝わって来ている。

さて、最後はSquirtgunがFAT Wreck Chords傘下Honest Don's Recordsよりリリースしたアルバムより「Burn for You」を。2003年リリースなのでミレニアム前後の流行り感は否めないが、どこかSquirtgunらしいポップパンクの雰囲気を残した曲をご一聴。