音楽好きの今の話と昔の話

普段目についた音楽について何となく語ります。

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ブギウギ 笠置シヅ子の話

実は今回のNHKの朝ドラ期待している。何故かというとヒロイン・花田鈴子(福来スズ子)のモデルとなった歌手「笠置シヅ子」さんの話だからだ。

笠置さんと言えば「ブギの女王」なんて言われた戦後日本を代表する歌手だ。美空ひばりさんも笠置さんのマネをして人気を博したとも言われている。当時を知る人の話を聞いたことがあるが、とにかく活気を感じたそうだ。エンタメ要素の高い方だったと想像される。正確には歌手活動中は「笠置シズ子」で歌手廃業後は「笠置シヅ子」名義で活動していた。今回は現在一般的呼ばれている「笠置シヅ子」で統一したい。

折角なので連ドラの第1回で放送されたヒロイン福来スズ子役の趣里さんの「東京ブギウギ」だ。この「東京ブギウギ」などは今の人でも耳にしたことがあるであろう笠置さんの代表曲。「東京ブギウギ」を作曲した服部良一さんは、戦後これからは明るい曲を作ろうとしていたようだ。そんな時この曲からヒントを得たとも言われている一曲をご覧いただきたい。

アンドリューズ・シスターズ(The Andrews Sisters)の「Boogie Woogie Bugle Boy」という曲だ。非常に良い曲で時代背景を感じる。軍人に囲まれた中3姉妹がめちゃくちゃ盛り上げている。昔のアメリカンな感じがするが、この姉妹の両親はヨーロッパ出身といこともあり第二次世界大戦中はヨーロッパの慰問活動で有名だったらしい。この動画を見たときある曲が頭をよぎった。クリスティーナ・アギレラ(Christina Aguilera)の「Candyman」である。

このMVも非常にアギレラの魅力がたっぷり詰まっている。抜群の歌唱力に魅せる才能。そして思ったとおり少し調べてみたところ、どうやらこの曲も前述の「Boogie Woogie Bugle Boy」にインスパイアされた曲のようだ。話が少しそれてしまったが、このようにアンドリューズ・シスターズの印象は強く、服部良一さんにも何かひらめいた音楽があったのだろう。そして出来上がったのがブギのリズムを持ち和製メロディを載せた独特な楽曲「東京ブギウギ」だった。

 

笠置シヅ子全曲集 東京ブギウギ

笠置シヅ子全曲集 東京ブギウギ

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私が笠置シヅ子さんの素晴らしさに気付かされたのは20歳ころ、とある曲を聞いたときだ。元々日本のブギウギなんかのリズムやメロディが好きだった。「東京ブギウギ」はもちろん聞いたことあったが、レトロな雰囲気が好きなだけ、という感じだった。しかし私の「目」ならぬ「耳」を釘付けにした曲は「ホームラン・ブギ」という曲だ。

いわゆる数え歌という曲。国民的スポーツだった野球をテーマにしており、王・長嶋よりも前の話だ。この曲は1949年にリリースされたが、1953年の第3回紅白歌合戦の紅組のトリを飾った。なんとも言えないレトロな雰囲気とメロディ、時代を感じる歌詞と数え歌独特の期待感。スカやメロコアをガンガン聞いていた私はとても衝撃を受けた。この時代の音楽に少し傾倒していったのは言うまでもない。

 

ホームラン・ブギ

ホームラン・ブギ

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さて、その他にもいくつか名曲を残したがブギの時代も終わりを告げた頃、笠置シヅ子さんも40代半ばで歌手を廃業した。歌手を廃業してからは、鼻歌ひとつ歌わなかったというその徹底ぶり。「笠置シズ子」はいつまでもエンターテイナーとして輝いたままで残したかったのだろう。その後の話などはフィクションとはいえ朝ドラを見ていただいたほうが良いかも知れない。

 

ハッピー☆ブギ

ハッピー☆ブギ

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最後は朝ドラ「ブギウギ」の主題歌「ハッピー☆ブギ」をお届けしたい。この楽曲はヒロインを演じる趣里さんと、EGO-WRAPPIN’中納良恵さん、シンガー・ソングライターさかいゆうさんの3人で歌い上げている。配信はリリース済みで11月にはCDとなんとアナログ盤で発売される。今回の朝ドラは当たりのシリーズになることを祈りながらご一聴を。