宇多田ヒカル第3弾と言うことで、いくらなんでも引っ張りすぎだろうと言われそうだ。しかしながら、CDという媒体を愛するものであれば、この「宇多田ヒカル」という存在は好き嫌い関係なく避けては通れない。
以前の記事でも書いたし、みなさんご存知かと思うが、1枚の作品をこの日本で一番売ったアーティストなのだ。併せてオリジナルアルバムであれば史上最も売ったアルバムは1stとそれに次いで2ndなのだ。その事実は変わらないし、CDという媒体は減少し続けており、ピークに戻ることはないだろう。その為恐らくこの記録は今後破られることはない。
前回からの続きだが、「FINAL DISTANCE」のシングルリリース後話題の一曲が登場した。
MVが個性的で話題になった。曲の構成もなかなか面白い。Aメロは時代を感じるが、Bメロで3文字しばりがリズムを落ち着かせつつアクセントになり、サビへ飛び込む。平家物語を引用したりと少し叙情的になりながらも、耳に残るサビは秀逸である。2002年に入り「光」「SAKURAドロップス/Letters」とシングルを、その後3rdアルバム「DEEP RIVER」をリリースした。このアルバムも300万枚を超えるセールスを記録した。当時CD屋で働いていたが、恐ろしいくらいに売れた記憶がある。翳りが見えていたCD市場であるが宇多田ヒカルの影響力は絶大であった。そして転機がやってきたのも2002年だった。病気で体調を崩したり、結婚したりと色々あった年だった。そして2003年に入ってリリースされたのが「COLORS」。
この作品の後1年間の充電期間に入る。若くして突然音楽シーンのトップに踊り出たヒッキーには少し休む時間も必要だったのかも知れない。そして充電後リリースされたのが「誰かの願いが叶うころ」。
当時の夫の紀里谷和明氏の映画「CASSHERN」の主題歌として起用される。デビューからの勢いは正直なくなっていたが、音楽的にも少し広くなってきていた。また、チャレンジしてみるような音楽も制作し始めた。その最たるものが2004年の秋にリリースされた全米デビューアルバム「EXODUS」である。その中から「Easy Breezy」を最後にしたいと思う。このアルバムは音楽的実験作品と位置付けられているが、まわりはかなり力入ってたと思う。国内でミリオンは達成したが、正直アメリカでは失敗したのが本音であろう。だがそれはそれで良かったような気もする。その後の作品の素晴らしさに出ていると思うのは私だけだろうか。ではあえてこの曲をご一聴。