結局昨日は職場でもサッカーの話題が多かった。自分も知ったような口を聞いていたが、サッカーボールなんて高校生あたりを最後に思いっきり蹴ってないんじゃないかと夜空を見上げて白い息を吐きながら思った。
そんな白い息がはっきりと見え始めて、本格的な寒さが始まる今日この頃。このブログも開始してとりあえず3か月経過した。ここまで毎日続けてこれたのも皆様に読んでいただけているおかげです。本当にありがとうございます。ぼちぼちやっていきますので、これからもよろしくお願いします。
さて、先日までの昼間の暖かさとはうって変わって、朝晩の冷え込みはいよいよ冬の訪れを感じる。そんな12月一歩手前の本日11月25日は椎名林檎さんの誕生日である。デビューしてから来年で25年にもなるが、自分も同世代であるがゆえ、通常のアーティストよりもファンであり陰ながら応援してしまう存在なのだろう。今回はそんな彼女の1stアルバム「無罪モラトリアム」の話をしたいと思う。
この1stアルバムは10代の集大成と呼ぶべき作品である。やはり自作アーティストにとって1stアルバムはそれまでの人生を詰め込んでいる。大概のアーティストにとって製作時間だけを見れば一番長い時間をかけていることになる。そのため1stアルバムは非常に興味深い。
また、椎名さん独特の無数にちりばめられた意味深なワードは、マニア心をくすぐる。結局はエヴァンゲリオンと同じで深く考えれば考えるほど、私みたいな深慮してしまう人が集まって、あーでもないこーでもないと答えのない議論をして楽しむ世界だと勝手に解釈している。若いころはそれが楽しく、奥深いアーティストだなと思っていたが、年齢を重ねて感じることは純粋に良いと思えばそれで十分かなと思うようになった。結局本当の意味でのアーティストの意図をくみ取ることは非常に困難なことであり、本人に「これはこういう意図ですよね?」というのもなんか変な話だなと思うようになった。
まぁそんな自論を並べても仕方ないのでアルバムの話に入りたいと思う。
無罪モラトリアム
- 正しい街
- 歌舞伎町の女王
- 丸の内サディスティック
- 幸福論(悦楽編)
- 茜さす 帰路照らされど・・・
- シドと白昼夢
- 積木遊び
- ここでキスして。
- 同じ夜
- 警告
- モルヒネ
作詞作曲・椎名林檎 編曲・亀田誠司 それぞれすべて
1.正しい街
このアルバムはこの曲のイントロからスタートするが、まさに名盤の始まりにふさわしいドラムス、ギター、ベースの音。
あの日飛び出した 此の街と君が正しかったのにね
みたいな感じで始まりますが、そのフレーズを聞くと、私は一瞬で冬のイメージが頭に飛び込んで来る。今じっくり聞いてみても思うが、椎名さんの歌唱テクニック凄い。余韻からブレスの瞬間がすごい。あと表現するこわいろの種類の多さに感服してしまう。何気にこの曲は演奏、メロディ、アレンジ等かなり秀逸な作品だ。超名曲中の名曲である。
2.歌舞伎町の女王
過去記事でどうぞ。
3.丸の内サディスティック
私が最も好きな曲のひとつである。先日少し記事にした。
「丸サ進行」所謂「Just the Two of Us進行」なるコード展開をする曲。いくつか考察している人がいるので、そちらはYouTube等で見られるので興味がある方は調べてみて下さい。結構面白い。
話を戻して何故好きなのか?あのコード進行による独特のメロディライン。何とも異質な歌詞の世界観。タイトルどおりの地下鉄の駅が出てくるが、ベンジーやリッケンバッカーなんかも出てきて、色々考えてしまう楽曲だ。今でも度々演奏される代表曲。
4.幸福論(悦楽編)
過去記事はシングルバージョンでこちらはアルバムの悦楽編。元の曲よりかなり激しいアレンジで仕上げている。
5.茜さす 帰路照らされど・・・
ピアノのしっとりとしたイントロから始まり、そのままAメロを繰り返す。4曲目の激しさを一旦落ち着かせようとしていると感じてしまう。サビは壮大に歌いあげるが、前の曲とのギャップがよりこの曲を輝かせている。作曲自体は16歳に作ったそうだが、亀田氏の見事なアレンジで名曲へと昇華させた。ちなみにヘッドフォンを耳に当てて聞いたアイルランドの少女はクランベリーズだ。
6.シドと白昼夢
タイトルにもあるシドは元セックスピストルズのシド・ヴィシャスのことであろうが、歌詞には出てこない。むしろジャニス・イアンが出てくる。この楽曲はプログミングも取り込んだ楽曲。
7.積木遊び
あーしくじったしくじった、で有名?な楽曲。カッコいいベース音から始まり独特なメロディラインを奏でていく。椎名さん本人曰く「箸休め的なお遊び曲」とのこと。
8.ここでキスして。
過去記事をどうぞ。
9.同じ夜
またもやしっとり曲。ヴァイオリンとアコギのシンプルな楽曲である。シンプル故に素晴らしいメロディがものすごく浮き彫りになる。今回は絶頂集に収録されているライブバージョン。こちらはヴァイオリンとピアノを使い最後はバンドサウンドで仕上げている。
10.警告
この曲はギター曲である。また前曲よりも激しく、緩急を付けた曲順になっている。実体験をもとにこの作品を制作したそうだ。椎名さんの激しい感情が伝わってくる作品である。
11.モルヒネ
このアルバムの最後を飾る楽曲。歌詞だけを追うと結構やばめな内容である。個人的な話であるがモルヒネというワードを聞くと、近しい人の最期を思い出す。確か病床で最期の時はモルヒネを使用していたのだが、やっぱりつらいときはこれなんだなという印象がある。話は逸れてしまったが、最後の曲にふさわしい曲調である。程よい余韻を残すノスタルジックなメロディと伴奏、椎名さんの淡々と歌う様。どうぞ。
ここまで簡単ではあるが全曲紹介してみた。20年以上前の作品だが、今聞いても色褪せてないアルバムである。このアルバムにはものすごく思い入れがあり、私にとって最高の一枚だ。過去一番長い記事となった。まだまだ書きたいことがあるがそろそろ終わりにしたい。今後の活躍を期待し、誕生日をお祝いしたところで最後の曲としたい。
最後は東京事変で「幕ノ内サディスティック」バージョンで。ちなみにサビに入る前の振り付けはずっとやってる。では最後にご一聴を。