音楽好きの今の話と昔の話

普段目についた音楽について何となく語ります。

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約束は 要らないわ

最近何かと騒ぎになっている椎名林檎さんのシングルの話だ。今回リリースされる作品の特典がヘルプマークに酷似しているため問題となった。

表現の自由があるとともに社会的影響の責任を伴う。結果論ではあるが、今回の件はやはり特典のデザインをする際、スタッフは慎重に調査すべきだった。ただでさえ意匠関係厳しい現代、なおさら注意すべきだったと思う。ひとつ気になるのは、多くの報道が椎名林檎のアルバムの発売延期と報じている。確かにそうかも知れないが、あくまで「本人のオリジナルアルバム」ではなく「様々なアーティストによるリミックスアルバム」ということが今回の報道に靄る。

さて、今回の話は奇しくもこの特典がこのデザインになったことの発端と言える作品の話である。この4枚目のシングルがリリースされたのは1999年の11月だが、発売当時私は歴史的名盤「無罪モラトリアム」により完全に椎名林檎さんに陶酔していた。このファーストアルバムについては別の機会に。

  1. 本能
  2. あおぞら
  3. 輪廻ハイライト

1曲目「本能」は林檎さんが看護師姿でガラスをガンガン割ったり、拡声器を使って歌う姿のMVは当時インパクトがあった。そして異常な程注目を浴びた。実際未だに椎名林檎=ナース姿のイメージの方は多くいるのではないだろうか。この印象が強く多くのファンがそのイメージを求めた。その後の初の全国ツアー「下克上エクスタシー」のデザインが今回問題になったデザインに似ている。最初今回の特典を見た時思ったのが「下克上のときのみたいやん」だった。

私がこの曲を初めて聞いたときの事は何故か未だにはっきり覚えている。夜中目が覚めて暗闇の中、何時か確認しようと思いラジオをつけた。そしたらリリース直前の「本能」がちょうど始まるところだった。ぼーっと聞いていてなんて恐ろしくカッコいい曲なんだと。声はわかっているが、知らない曲だ、眠い。と眠ってしまった。しばらくは夢だったのか寝ぼけていたのかあやふやだったが、後日夢ではなかったことを確認することが出来た。

印象としては、曲自体かなり音が強い。非常にカッコいいメロディ、伴奏は言わずとも、林檎さんの表現力に脱帽である。いくつかの歌い方を使い分け、幅広い表現をしている。個人的には歌い分けに関しては前作「ここでキスして。」の方が好みであるが、寝ぼけても一発で頭に残ったこの楽曲は20年以上たった今でも色褪せない。

2曲目「あおぞら」は当時CMでも使われたが、かなりの名曲である。「本能」の衝動的な曲と正反対ののどかな曲である。休日の昼間にぴったりであるが、メロディラインも歌詞もアレンジも素晴らしい。歌詞は結構語呂合わせ感が強いが、素晴らしい言葉選びだ。口笛を挟んだり、フリューゲルホルンを吹いたり牧歌的な仕上がりとなっている。私個人的にはシングルのカップリング曲の中でNo.1だ。

3曲目「輪廻ハイライト」は英語詞の曲であるが、空耳的に当てはまる日本語を歌詞カードに掲載している曲だ。ピアノから始まりジャズの曲である。オシャンな曲だが、後にジャズテイストな曲をたまにリリースしていくが、その一端といえる楽曲だ。

この「本能」がリリースされた頃、たまにモノマネ番組でナース姿を見かけたときに、変な違和感があったがまだその正体に、気付いてなかった。またその話も後日。

冒頭で触れたが、良いニュースで世間を賑わせるのは良いが、マイナスイメージでニュースになるのはファンとして寂しい。なんとかリミックス盤リリースが話題のニュースになることを祈って最後にライブの「本能」を。Mummy-Dがとても渋カッコいい。ではご一聴を。

 

本能

本能

  • アーティスト:椎名林檎
  • ユニバーサル ミュージック (e)
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