スポーツの応援をする際皆で合唱するケースがある。サッカーではバモス日本やアイーダなんかそうだ。観客が一体となって選手にエールを送り鼓舞する。今回はそんな感じでボストンを鼓舞するバンドを紹介したい。
ドロップキックマーフィーズは1996年結成で、バグパイプやアコーディオンやマンドリン等を使用するアイリッシュトラッドを取り込んだケルティックパンクと言われたり、アイリッシュパンクと呼ばれるバンドである。しかし、ながらメンバー全員野球のボストンレッドソックスの熱狂的なファンなアメリカのバンドである。そんな彼らのボストン愛が詰まった曲を2曲続けてレッツゴーマーフィーズ。
・「For Boston」ボストンカレッジのテーマ曲
・「Tessie」レッドソックスの球団公認歌としても使用された
お聞きいただいたように単なるパンクバンドではなく、アイリッシュなサウンドを上手くミックスさせ、ユニークなサウンドを生み出している。
過去のフォークソングに傾倒することもあり、ピートシーガーがヒットさせた曲「Which side are you on?」労働者の歌もカバーしている。そちらを聞いていただこう。
このようにこのバンドは多くのカバーをしている。その背景には過去のアイルランド人やアイルランド移民たちへの敬意を示すためであったり、過去の労働者階級への讃歌のためにリスペクトとしてカバーをしていると考えられる。彼らのパンクバンドであるが故に原曲より攻撃的に映る。パンクの音楽性がもたらす色である。しかし、アイルランド民謡の雰囲気をもたらすバグパイプの音がアコーディオンと混ざり合い、独特のパンクバンドに仕上がっている。
では彼らの良いところがしっかり詰まった一曲をご覧頂こう。「Going out in style」
このMVにはカメオ出演としてこの作品が収録されている同タイトルのアルバムに参加しているNOFXのファット・マイクやThe Living Endのクリス・チェイニー、その他ボストンのスポーツ界の著名人が参加している。このバンドの音楽界やボストンスポーツ界での知名度をうかがえる作品にもなっている。
彼らは結成しメンバーチェンジを経て25年以上のキャリアがある。このバンドは未だに精力的に活動し、今年もアルバムをリリースしている。最後にこのアルバムから一曲、「All You Fonies」をご覧いただきたい。トラッドなリズムから始まる彼ららしい、かつ円熟味の増した曲を是非ご一聴。