先日の成人式のニュースを見て思った。とある地域は日本で一番派手で賑やかな成人式だといってテレビ局が会場やそのまわりで取材していた。派手な格好をした20歳を迎えた男女がたくさん見られたが、すごいと思ったのはいまだに特攻服のようなものを着たリーゼント姿の新成人がいたこと。東方仗助だって氣志團だって当時すでに古臭くて、絶滅危惧種だったあの日から20年経過している。だけどテレビカメラの前にそのリーゼント姿の若者が立っている。不思議な感覚をおぼえると同時にそれほどインパクトが強く、根強いカッコ良さの象徴なんだと確信できた。なんか面白いなと思いながらリーゼントの起源が気になり調べてみた。
その起源は諸説あるようだが、多く見かけたのはイギリスの首都ロンドンにある通り「リージェント・ストリート」のかたちに由来しているとのこと。また、そのエリアで1930年代にその髪型が流行ったことらしいが、イメージとしては上の動画にあるElvis Presley(エルヴィス・プレスリー)のイメージが強い。1950年代からロカビリー界隈で流行っていたようだが、しばらくしたら廃れた。日本では1980年代にロカビリーなどの再燃により、不良のイメージとともに定着した。自分も子供の頃はこのあたりの空気感を肌で感じていた。いわゆる「ヤンキー」と呼ばれる文化というか風潮だ。
永ちゃんこと矢沢永吉さんがキャロルのころからやっていたものや、舘ひろしさんなどが代表的なリーゼントの人になるだろう。それも今思えば流行りとしてはあっさり終わった。「流行り」としたのは、冒頭の話にあるように一部では根強く残っているからだ。
2000年代に入り氣志團が異彩を放ちブレイクした。これもあくまで1980年代のヤンキーファッションをベースとしたビジュアルで、BOØWYをイメージさせるバンドサウンドだった。
面白いと感じたのは、それぞれリバイバル状態だということだ。氣志團のときや現在では、みんながやる流行りではない。しかし、音楽シーンではなんらかのブームが起きているのが20〜30年周期。つまり今なんらかのブームが起きている、もしくは起こると面白いリーゼント周期。そのブームの火付け役になればいいバンドの紹介をしていきたい。
以前も記事にしたThe Biscats(ザ・ビスキャッツ)の「メッセージ」という曲を最後に紹介したい。このThe Biscatsというバンドは、リーゼントというかロカビリーバンドだ。成人式でリーゼントはこれからも続くだろう。それを見るたびに今回調べた「ストリートのかたちなんだ」と思い出すのだろう。普段はちゃんとしてくれれば問題ないだろうリーゼントの若者の未来を想いながらご一聴。