音楽好きの今の話と昔の話

普段目についた音楽について何となく語ります。

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板歯目の進化「もんくのひとつもいいたい!」

板歯目(ばんしもく)とは三畳紀、約2億年前に生息していた爬虫類っぽい生物と言われている。そんな大昔の亀みたいな生物の名前を冠した2ピースバンド「板歯目」の記事はこれまでいくつか書いてきた。単なるロックバンドであれば、それほど目を引くことはなかっただろう。しかし、このバンドには凌駕する「何か」がある。これまでこのバンドの音楽性やメンバーの個性などを賛美してきた。先程あげた「何か」にまだ辿り着いていないような気がしてならない。そんなことを考えながら手にしたのは1stEP「もんくのひとつもいいたい!」だった。f:id:bandbnad:20250618223127j:image2025年6月18日にリリースされたこの作品の曲目や概要は以前の記事をご覧いただきたい。とりあえずこの1枚を聞いて最初に感じたことは、子供っぽさが抜けたところだろうか。「地獄と地獄」みたいに「バンド名が読めないっ」って感じでおちゃらけるのもいいけど空気感が違う。大人っぽいといえば安易な例えだけど、概ね間違ってはいないと思う。元々随所に渋いサウンドをねじ込んでいたこのバンド。その渋い部分を今作ではさらに全面に押し出してきたように聞こえる。それが楽曲自体に安定感や重厚感を持たせ、「大人っぽい1枚」に仕上がっているのかも知れない。

初めてのフィジカルということでメンバーもこの作品に対して思い入れが強いようだ。CDとして形に残るのは嬉しいと思う。その嬉しさと思い入れの強さがゴリゴリの音になって終始頭の中を駆け巡る。ずっとそれぞれのパートが熱いのだ。ギターボーカルの千乂詞音(ちがしおん)も太くメロディラインを歌い上げながらギターで飛び回る。今回特に興味を惹かれたのは庵原大和(いおはらやまと)のドラム。スティックを振り回して暴れる様子が目に浮かぶが、テクニカルな場面も時折見せるあたりが憎らしい程にカッコいい。今作の色を作り出しているのは彼のスティックさばきなのかも知れない。

さて、こんな説明はこれ以上いらない。音を聞いて板歯目の世界を堪能してもらいたい。バンド名の由来となった本家・板歯目は2億年くらい前に絶滅したとされている。進化した先は首長竜だったり恐竜だったり爬虫類だったりと想像されるが、このバンドの進化する先はどんなステージだろう。冒頭のこのバンドの「何か」はすぐに見つからなかった。もう少し聞き込んで更なる進化に気づいてみたいと思う。最後はベースが抜けて2人体制となってからの仕切り直し的な楽曲「親切」。このCDの2曲目に埋め込まれている彼らの反抗心をご覧いただきたい。本当におめでとう。ではご一聴。

 

板歯目の紹介記事

板歯目のライブ行った時の記事