以前「稀代のメロディメーカー」と言う記事でピックアップしたバンド、「ヤバいTシャツ屋さん」だ。
とにかく彼らは学生のノリでやってくる。サークルでやってる感じそのままで全国デビューしてしまったようなバンドだ。大阪芸大出身の3ピースバンドで、2014年頃から本格的に活動し、いくつかの興味深い作品を世に生み出した。
私が稀代のメロディメーカーと絶賛するメロディは天才的である。またツインボーカル要素もあり、飽きさせない楽曲構成である。いわゆるポップパンクという感じですかね。たまに聞かせる曲を作るが、じっくり歌詞を聞くとくだらなすぎて肩を透かされる。とにかく熱いバンドである。
そしてギターボーカルのこやま氏は寿司くんという名でMVの監督だ。
まずはこの「あつまれ!パーティーピーポー」をご覧いただきたい。
ご存じない方の為に内容はあえて伏せるが、かの有名な場所で撮影したMVである。世の中無駄遣いはたくさんあるが、このパターン面白い。一見彼らにはその価値が理解出来ない風を装いながらあえてそうすることにより、尚更もったいない感を増幅させる演出は秀逸だ。どちらにせよ見ていない方は是非ご覧いただいて無駄遣いっぷりを堪能して欲しい。
次に紹介するのも寿司くんの無駄遣いっぷり満載のMVである「ヤバみ」。もう最後なんて投げっぱなしもいいところ。呆れてしまうくらいの演出だ。
続いて、言葉選びに衝撃受けた楽曲「かわE」。
"かわE越してかわFやんけ"
"たのC越えてたのDやんけ"
元々あったネタなのかわからないが、少なくとも私は知らなかったため当時かなりの衝撃を受けた。相変わらず寿司くんの演出は恐ろしい。なんせモブフラッシュの失敗なんて、現実で起こってはいけないことを面白演出してしまう。しかし、実際はこういうことも起こるんだろうな、と考えさせられる問題作だ。
ちなみに最近のMV「ちらばれ!サマーピーポー」。相変わらずてきとーな感じ満載で楽しそうである。羨ましい。
てきとーな感じがするが彼らは確実に成長している。ライブ映像をYouTubeでも見ることが可能であるが、最近のは素晴らしい演奏である。学生のノリなんて馬鹿に出来ないパフォーマンスを見せている。
少し話が逸れてしまったのでMVの話に戻る。褒めまくっていが、彼らのMVは諸刃の剣だ。視覚的な支配力が強く、全くもって曲が耳に入って来ない瞬間が多々ある。基本ワンカット撮り風の構図が故に、完全に映像へ意識を持っていかれるのだ。ん?だからもう一度見てしまうのか?そこまで計算して仕掛けているのか?いや彼らならそこまで考えてやっているであろう。しかし、やっぱりただのノリでやっていて欲しい。きっとそうであろう。知らんけど。
最後に彼らの代表曲である「ハッピーウェディング前ソング」。これぞ「20代前半の学生気分のノリ」を寿司くん監督が見事に演出している。ニヤニヤしながらご一聴を。